【みなと新聞】23年度までに沖合IQ普及 水産庁行程案
沿岸資源も科学的管理徹底

2020.9.14

 水産庁は11日発表した「新たな資源管理に向けたロードマップ(案)」で、沖合漁業を中心とする個別漁獲割当(IQ)制度の普及と、沿岸漁業も含めた科学的な資源管理の徹底を2023年度までに進めるとした。漁獲可能量(TAC)規制対象魚種を主対象とする沖合漁業を原則IQ管理に。沿岸漁業の対象種も含めTACの対象を増やしながら、TAC以外の管理方法もその時点で利用可能な最善の科学を用いて目標設定し、管理効果の検証を定期的に行いつつ公表することとした。 同案の内容は次の通り。

 日本近海で新たにTAC管理導入する候補はホッケ、ブリ、サワラなど15種で、関連漁業者も含めて協議を行う。また、日本水域外で漁獲されるミナミマグロと大西洋クロマグロも21年度から法的なTAC管理を行う。

 IQ管理については、21年度から太平洋のマサバ・ゴマサバ、北海道のマイワシ、クロマグロ大型魚、ミナミマグロ、大西洋クロマグロで実施。22年度以降も、TAC魚種を主対象とする大臣許可漁業からIQを導入していき、23年度までTAC対象種を主なターゲットとする大臣許可漁業は原則IQとする。

 IQの枠は、漁業者が農水大臣や都道府県知事の承認を得れば他者に移転できる。IQ管理の魚種には、資源管理のための細かな規則(漁船サイズ規制など)が不要となるが、沖合漁業者と沿岸漁業者の漁場をめぐる紛争防止などの取り決めは引き続き行っていく。

 TAC対象外の種の管理は、漁業者の自主的措置を主とする「資源管理計画」から、その時点で利用可能な最善の科学を用いて目標設定し、管理効果の検証を定期的に行いつつ公表する「資源管理協定」へと、23年度までに移行していく。協定へ参加する漁業者は、漁業者の減収を補填(ほてん)する「漁業収入安定対策」に加入できるものとする。

 沿岸漁業でも、既にIQ的な数量管理が行われているものについては、資源管理協定の措置に入れ、かつTAC魚種は魚種、地域によってIQ管理も進める。

 同庁は同案へのパブリックコメントを25日まで募っている。
同日に会見した神谷崇水産庁次長は、記者からの「北海道で一部魚種のTAC管理に反対意見がある」との指摘に対し、「不安や誤解を丁寧に回収していく」と語った。

[みなと新聞2020年9月14日18時20分配信]
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