みなと新聞

【みなと新聞】AIで簡単異物除去機 アスティナが商品化 低コスト導入に強み

2022.07.08

 人工知能(AI)やロボット装置開発などを手掛けるASTINA(アスティナ、東京都墨田区、儀間匠社長)はこのほど、AI搭載型の異物除去装置「OKIKAE検査ボックス」を商品化した。初心者でも簡単に操作でき、シラス干しやチリメンなど乾燥した水産加工品中の異物を高い精度で選別・除去できるという。コンパクトなつくりで既存コンベヤーに簡単に設置可能。1台で少量多品種の異物除去に威力を発揮し、1台当たり約500万円という導入コストの低さも強みだ。

 同社は2016年に創業し、AI外観検査ソフトウエアやロボット装置の開発・導入、産業用IoT(モノのインターネット)製品のコンサルティングや設計開発、試作、量産、システム運用などを手掛ける。同社は自社の強みのAIなどの技術を生かし、異物を取り除く検品業務を省人・省力化するため、同装置を開発したという。水産加工品の検査対象はいずれも乾燥度の高いシラス干しやチリメン、煮干しなどの小魚加工品、小エビ、ヒジキなど。

 同装置はAIが自動的に異物を検知する本体ユニットと異物を除去する排出ユニットで構成される。本体ユニットは幅43センチ、奥行き70センチ、高さ63センチ、一方の排出ユニットは幅41センチ、奥行き70センチ、高さ30センチといずれもコンパクト。既存コンベヤーに後付けで容易に設置でき、生産ラインを改修する必要はなく、低コスト・短期間での導入が可能という。AIがさまざまな異物を除去し、1ラインで複数アイテムを製造するメーカーニーズに対応する。AIが判別した各異物は吸引して取り除く仕組み。

 年約70万円の学習モードオプション(初年度は無料)を導入すれば、ユーザーが専用カメラで異物の写真を撮って同社にメール送付し、その異物データをAIに学ばせることで、持続的に異物判別精度の向上や除去する異物種類の増加につなげるという。ユーザーによる異物写真の撮影やメール送付などは、簡単な作業で済むという。

 AI搭載の同装置はAIが異物について学習すればするほど異物除去能力が高まる特徴がある。同社は乾燥した水産加工品だけでなく、水分を比較的多く含む水産加工品中の異物除去の実現も目指している。

[みなと新聞2022年7月7日18時20分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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