みなと新聞

【みなと新聞】スマート水産市場30年106億円 民間予測 10年で4倍 自動給餌など伸び

2021.02.03

 市場調査会社の富士経済(東京都中央区)は14日、スマート水産業の国内市場が2030年に106億円になるとの予測を発表した。20年見込みの28億円から3・8倍の成長となる。自動化、省人化の効果が大きい自動給餌システム市場が10年間で500万円から2億2000万円に拡大するなど、高い伸びを維持すると見通す。

スマート水産業の市場規模推移 出典:富士経済「農林水産ビジネスの最前線と将来展望 2020」から作成 *20年は見込み、21〜30年は予測

  同社によると、自動給餌システムは19年、複数の企業が商品化したことで市場が立ち上がった。現在はIT、人工知能(AI)を用いた給餌機の遠隔制御や養殖魚のモニタリングなどの実用化が進められている。養殖魚の輸出が拡大する中、「国産魚は生産コストが高く海外と比較して価格面の競争力が弱い点が指摘されている」と説明。市場の拡大ペースが加速すると予測する。

 沖合養殖システム市場は30年に30億円と、20年見込みの2億円から15倍に拡大する予測。システムで使う浮沈式イケスや自動給餌装置など関連機器の受注ベースの販売金額から算出した。同社は「19年時点で引き合いは増えているが、導入に至るケースは一部だった」と指摘。ただ、20年の改正漁業法の施行により、養殖への参入が増えると期待されており、市場規模が本格的に拡大するとみる。

陸上養殖システム20年比3倍33億に

 また、陸上養殖システムの市場は30年に33億円になる予測。20年見込みの12億円から3倍の成長になる計算だ。「食糧危機の解決策として、新型コロナの収束とともに市場は拡大していくとみられる」としている。

 この他、水産業では、水産用水温調節機器▽水産用光源▽漁業環境モニタリングシステム▽水産用ドローン-について市場規模を調査。「農林水産ビジネスの最前線と将来展望2020」でまとめている。

 水産業界ではスマート化技術を活用した大型の投資が進んでいる。外資系企業の他、総合商社や電力会社などが陸上養殖施設の建設を計画。通信や電機大手などにより、AIを活用した自動給餌システム、水産用ドローンの開発も行われている。

[みなと新聞2020年12月17日18時20分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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