北海道太平洋沿岸の赤潮は発生から1カ月たった27日も、収束していません。21日に北海道が開いた対策会議で報告された漁業被害は18日時点でウニや秋サケのへい死を中心に約76億円に上り、国内の赤潮被害では過去最悪となっています。
へい死被害はウニが約2300トン、秋サケが約2万1300尾など。特にウニは、稚ウニから漁獲サイズに成育するまで約4年程度を要するため、影響が長期間に及ぶことから68億円を超えると算出しています。近年の北海道のウニ生産量は年間5000トン前後で推移、また、2011年以降の全国生産量8000トン前後の6割強を占めるだけに、へい死2300トンの大きさがわかります。
赤潮の原因は国内で初確認のカレニア・セリフォルミスなど複数種の異常発生とみられています。中でも、北海道と国はカレニア・セリフォルミスを中心として形成された赤潮が漁業被害を誘発したと推定しています。このプランクトンは冷たい海域でも生息できるとされ、北海道大水産学部の調査で、ロシア海域から親潮に乗って南下してきたと考えています。
ロシア・カムチャツカ半島南東部のアバチャ湾では昨秋、水産生物の大量へい死が発生。ロシア科学アカデミーでは調査の結果、原因は赤潮と断定しました。同湾では、赤潮の原因となる毒性を持つ微細藻類の発生が1970年代から確認されていました。
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/117050
(2021年10月20日配信「北海道の赤潮 ロシア由来か」)
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/117051
(2021年10月20日配信「大量へい死原因は赤潮」)
[みなと新聞2021年10月28日 07時03分頃 配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/