海と渚環境美化・油濁対策機構(東京都文京区、岸宏理事長)は、海洋プラスチックごみの主要因が日本の漁業者であるとの誤った認識を払拭(ふっしょく)しようと、環境省の報告書や資料をもとに独自の検証をし、「漁業系海洋プラスチックごみQ&A」を公表した。同機構は日本の海洋プラごみ年間発生量6万トンのうち、漁業系プラごみは年間1600~5640トンとし、全体の3~9%と分析した。
外海に面した海岸に漂着した海洋プラごみ全体のうち日本由来は3%程度で、漂着プラごみの約6割を占める漁業系プラごみでも日本由来は5%以下とみるのが妥当とした。なお、日本の内湾・内海の海岸に漂着したプラごみはほぼ全てが日本由来と指摘した。
道総研の木村稔水産研究本部長は「冬に向かって海水面の冷却が進む時期。冷やされた海水は下層へと対流するため、赤潮プランクトンも鉛直方向に拡散し、光合成の条件が悪くなり、増殖に不利な環境になる。来春までに再増殖する可能性は低い」と説明した。
外国由来のごみが日本の海岸に漂着する理由については、日本列島を取り巻く海流が外国から日本の沖合に運んでおり、季節風で日本の海岸に届いていると解説した。
同機構は今回ダイジェスト版と分析の根拠となる数字などを示した詳細な本編の2種類のQ&Aを公表した。
[みなと新聞2022年1月13日18時20分配信]
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