みなと新聞

【みなと新聞】能取湖ホタテ稚貝大量死 西網走漁協、計画の9割 北海道

2023.04.06

 【北海道】北海道網走市の西網走漁協(石館正也組合長)が市内の能取湖で生産するホタテガイ稚貝が、大量に死んでいることが3日わかった。被害は今年(1~12月)の生産計画量の9割に当たる約1億8000万粒、想定額は約7億円に上る。同日に市や同漁協などによる対策本部が設置され、今後、漁業者支援や死骸の処理方法などの協議を進める。

 能取湖では稚貝の入ったかごを9月から湖内に沈め、翌年4月下旬から5月中旬に成長した稚貝を引き上げ、オホーツクの漁協に出荷する他、湖内に地まき放流し、3年後に漁獲している。今回のへい死で「出荷向けはゼロ。地まき用に2000万粒あるが現在も死んでおり、どれだけ生き残るか。稚貝生産の親貝としても使うため、影響が心配だ」と同漁協。

 同漁協によると、被害は中間育成施設に垂下していた座布団かごに入った稚貝のみで、3月下旬にへい死を確認。北海道立総合研究機構網走水産試験場(網走市)は「水質検査を行ったが、赤潮プランクトンは検出されなかった。また、貝の病理検査の最中だが、現時点で異常が見られない。その他の要因を考えている」としている。

 オホーツクのホタテ生産は、漁場を4区画に分けて毎年1区画ずつ稚貝を放流し、3年後に漁獲する「4輪採制」を行っている。オホーツク沿岸では稚貝の放流作業が始まっており、紋別漁協(紋別市)は4億粒の放流計画のうち約4割の1億5000万粒を西網走漁協から購入する予定だった。現在、日本海の稚貝生産漁協に余剰分の提供を申し入れており、「どこまで挽回できるか」。来年の春に追加の放流も構想しているが、「元の水準に戻ることはない」といい、3年後の水揚量が大幅に減少する可能性もある。

 一方、沙留漁協(興部町)は2億3000万粒の放流計画のうち2000万粒を西網走漁協から調達する予定だったが、「他地区から1500万粒、地元で500万粒を確保できた」。枝幸漁協(枝幸町)も4億2060万粒の放流計画のうち1000万粒の調達を予定していたが、「他地区から調達できた」。

 西網走漁協は関係各所に「復旧費などの助成、原因究明を早急にお願いしたい」としている。

[みなと新聞2023年4月5日18時20分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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