水産研究・教育機構は21日、日本太平洋岸でのサバの不漁の原因分析を発表した。近年、マサバ太平洋系群の資源量は多かったものの、同群が回遊のために乗る海流が日本から遠い場所に向かったこと、主漁期の水温が高かったことから、漁場への来遊が減った可能性が高いと分析した。
同機構によると、同群の推定資源量は2000年代には15万トンまで減少していたが、昨年時点では507万トンまで回復。昨夏の調査でも分布が多いことを確認していた。また、日本東沖の公海上で外国漁船の漁獲も低下していないもようだ。これらから、資源量自体は少なくないとみられる。
だが太平洋側のサバ漁の主力である北部巻網のデータだと、主漁期の序盤に当たる11月の漁獲は19年に3万1500トンだったものが、20年2万44トン、21年1万4900トン、22年2690トンと激減。12月の漁獲も年々減っている。
同群は毎年秋から冬ごろ、日本北方から冷たい海水を本州太平洋岸へ運ぶ親潮に乗り、日本北東沖の餌場から日本中西部の産卵場に向かう。ただ、近年は親潮が日本沿岸にあまり張り出さず、沖合側に向かいやすかったことから同群の泳ぐルートも、漁船の行きづらい沖合側に寄った可能性がある。
また、近年南方から日本に暖かい海水を運ぶ黒潮が沿岸に寄っていたことで、冬場の日本太平洋岸の水温低下が遅れ、同群の南下も遅れたと考えられる。
[みなと新聞2023年4月24日18時20分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/
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