みなと新聞

【みなと新聞】北海道で海づくり大会 天皇、皇后両陛下出席 種苗放流や養殖に期待

2023.09.20

 第42回全国豊かな海づくり大会が、天皇、皇后両陛下の出席の下、16~17日に北海道で開かれた。厚岸漁港(厚岸町)での放流行事では、両陛下がマツカワとホッカイエビの種苗を放流。放流行事前に同漁港特設会場であった式典では、天皇陛下が、道内での種苗放流や養殖、藻場造成などの取り組みの発展に期待を示しつつ「大会を契機として人々の海や漁業への理解と関心が深まり、豊かな海づくりの輪が全国へ、そして未来に向け大きく広がっていくことを願う」とあいさつされた。

 本大会のテーマは「守りぬく 光輝く 豊かな海」。主催者としてあいさつした細田博之大会会長(衆議院議長)は北海道の漁業生産が全国の都道府県中1位であることや、水産を巡る環境の変化から秋サケやホタテ、コンブなどの生産への影響が危ぶまれることに言及。他方で「安定的な生産体制の構築などに取り組んでいるとお聞きする」と、関係者の努力に敬意を表した。

 同じく主催者としてあいさつしたと鈴木直道実行委員会会長(北海道知事)は、道内で水産資源回復や栽培漁業、カーボンニュートラル、海洋プラスチックごみ対策などが進んでいることを紹介。「道民の皆さまとともに、豊かな海の恵みを守り、育て、そして次の世界にしっかりつなげていく」と宣言した。

 坂本雅信大会推進委員会会長(JF全漁連会長)は式典で「水産関係者は、これからも水産資源の管理と環境・生態系保全の取り組みを行うとともに、国民への水産食料の安定供給に向けて豊かな海を将来にわたって引き継いでいく責務がある。(中略)海洋環境の変化を乗り越え、水産業・漁村の継続的な発展に一層力強く取り組んでいく」などの大会決議を提案。満場の拍手で採択を受けた。

 同大会は、人工種苗を放流する「栽培漁業」などを通じ、水産資源の維持、水辺の環境保全や水産業の振興を国民に訴えるもの。例年、天皇、皇后両陛下出席の下、いずれかの都道府県で開かれている。北海道での開催は38年ぶりとなった。来年大会は大分県で行う予定。

[みなと新聞2023年9月19日18時20分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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