みなと新聞

【みなと新聞】「海の環境変化」で特集 水産白書に具体例紹介案

2025.02.26

 水産庁が21日に東京都内で開いた水産政策審議会企画部会で、委員らが2024年度水産白書の特集テーマ「海洋環境の変化による水産業への影響と対応」の方向性を定めた。昨年末に骨子案を了承していたもので、各魚種の状況変化や対応策を具体的に紹介する。

 特集ではサンマやスルメイカ、サケの漁獲減や、国内の河川、海外での動向も紹介の上、各種漁業・地域での操業転換や生産量回復、藻場再生の取り組みなど対応例を紹介する。後半には気候変動自体への緩和策としてカーボンニュートラル、適応策として資源評価の高度化や高水温に耐性のある品種開発の現状などを報告する。

 トピックスでは①能登半島地震からの復旧・復興②太平洋クロマグロを念頭に置いた漁獲量など報告義務の履行のための法改正③九州の八代海などで継続する赤潮の被害状況と軽減対策―を記載する。②太平洋クロマグロを巡る法改正については当日、特別管理特定水産資源への指定や報告・保存についてのルールなど省令の改正案を説明した。今後、26年4月1日の施行を目指し整備を進める。

 第1章以降は①日本の水産物の需給・消費②漁獲量・額など生産状況、漁業者数の推移や確保に向けた水福連携も含む施策、労働の効率化、漁協経営、水産加工業③資源評価・管理や漁場環境④近隣諸国との関係など国際情勢⑤23年版で特集に取り上げた海業も含む「漁村の活性化」⑥福島第1原発からのALPS処理水の海洋放出を巡る動きなど大規模災害からの復旧・復興に向けて―を取り上げる。

 当日は白書に掲載する25年度の水産施策について、江藤拓農林水産相から佐々木貴文部会長(北海道大大学院水産科学研究院准教授)への諮問もあった。

[みなと新聞2025年2月25日18時10分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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