政府は6日、2024年度「水産白書」を閣議決定した。高水温や黒潮大蛇行など海洋環境の変化を取り上げた特集では、サンマ、スルメイカ、サケ類の合計漁獲量が14年の54・8万トンから23年には10・7万トンへ81%減少したと報告した。同じ期間、全魚種の漁獲量は371・3万トンから292・6万トンに21%減った。
14年から8割減少
白書では、海水温上昇や海流変化が魚介類の分布や資源量に影響を与え、水揚量減少や漁場沖合化による燃油代増加や出漁見合わせが、漁業経営に影響しているとした。
一方で、環境変化を要因に獲れるようになった魚の活用や養殖への取り組み、高水温耐性を持つノリの開発など対応の事例を記述。藻場の再生や水産施設の太陽光発電設備など、漁業の周辺における環境改善についても取り上げた。
白書は特集以降の章で該当年度の水産の動向を記載する。1章で国内水産物の需給と消費、2章で経営面や就業者数などより事業者に近い内容を扱う。2章では漁業・養殖業の生産量が減少を続ける中、生産額では23年に1兆6853億円と03年以降で最も高い水準になったと強調している。
3章で資源や漁場環境の現状と管理の動向、4章で国際情勢、5章で海業など漁村の活性化策、6章で福島第1原発からのALPS処理水海洋放出とその反応を含めた東日本大震災、石川県能登半島地震、25年2月の岩手県大船渡市の林野火災が及ぼした水産への影響など災害を取り上げる。
能登半島地震からの復旧、太平洋クロマグロを念頭に置いた漁業法の改正、赤潮被害など近年の特徴的な事象を紹介するトピックスの掲載を再開した他、主な水産施策の進行度合いも紹介する。白書の最後では今年度に実施する水産施策を説明。資源管理の厳格化を強調した前年度版を引き継ぐ。
水産白書全文
24年度「水産白書」の全文は下のURLからご覧いただけます。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html
[みなと新聞2025年6月6日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/
+reC. (プラスレック)がよくわかる
資料を無料でお配りしています
資料ダウンロード
