みなと新聞

【みなと新聞】持続可能な魚選んで 料理人が消費者向け催し

2025.06.11

 料理人の有志団体シェフス・フォー・ザ・ブルー(シェフス、東京都渋谷区、佐々木ひろこ代表)は8日、東京大駒場キャンパス・食堂コマニで、消費者らに水産業の持続可能性について情報発信する「ブルーフェス」を開いた。国内のトップ料理人約30人が連携し、「美味しくて海にやさしい」魚介料理をブッフェ形式で提供。持続可能性や美食に興味を持つ260人を集めた。

 ミシュラン星付きレストランなどから集まった有名料理人らが、厳しい資源管理に自主的に取り組む漁業者の魚や資源状態の良い魚種、低利用魚種などの特別レシピを考案し提供。小型個体の再放流などに取り組む北海道苫前のミズダコ漁業者、漁獲量制限などに取り組む島根県宍道湖のシジミ漁業者などのえりすぐりの魚を並べた。

 一般向け入場券2万2000円が発売後4時間以内に完売するほどの盛況だった。主催者は日本の水産物の調理技術や流通体制の強さ、水産生産量が過去40年で3分の1以下に減っていること、背景にある海洋環境悪化や過剰漁獲などについて解説。解決に向け、加工、流通、消費者やそれをつなげる料理人の役割の重要性を訴えた。主催者によると、客から「マグロやサンマはニュースで見た記憶があるが、そんなに厳しい状態とは」「料理人たちの熱に感動した」などの反応があった。

 イベントの合間に記者会見も開いた。苫前で漁業の6次産業化に取り組み、自社商品の利益をタコの再放流に生かしている漁業者の小笠原宏一氏は「消費者が身近に資源管理を感じてほしい」と意図を説明。複数の漁業者らが、料理人らの意見を基に水産物の処理作業を改善して付加価値化につなげてきた経緯も語った。料理人からは、漁業者とのやりとりについて「料理人として試されている、育ててもらっている」(御料理ほりうち・堀内さやかオーナーシェフ)などのコメントがあった。

[みなと新聞2025年6月10日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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