みなと新聞

【みなと新聞】人工種苗ウナギ、世界初上市 山田水産が1尾5000円で29日販売

2026.05.26

 水産研究・教育機構とマリノフォーラム21が研究を進める人工種苗ウナギ試験販売が、29日始まる。技術移転を受けた山田水産(大分県佐伯市)が発売する。完全養殖ウナギ製品が市場に投入されるのは世界初。売価は冷凍2尾入り9720円(税込み)で、1尾当たりの価格は5000円弱になる計算。約600尾の販売を計画する。

 ウナギ種苗1尾当たりの生産コストは約1800円。量産化技術により、2016年度の1尾4万円から10年間で約20分の1に低減した。天然シラスウナギと比べると約2~3倍とまだ価格差があるが、「当面は1尾800円を目指す」(水研機構)。

 19日、農林水産省で鈴木農水相が完全養殖ウナギのかば焼きを試食した。鈴木氏は「おいしいしか言葉がない。これまで食べたウナギでトップ3に入る」と舌鼓を打った。その上で「ウナギは日本人になくてはならない魚。持続可能なウナギを国内外に届くよう後押ししたい」と話した。

 山田水産の電子商取引(EC)サイトや直営店の他、イオングループのECサイトで販売する。同社直営店の「山田のうなぎ うな骨ラーメン築地本店」(東京都中央区)ではかば焼き丼を販売する。
 山田水産は18年から人工種苗シラスウナギの生産実験を開始。水研機構の指導を受けながら、24、25年は2年連続で年間1万尾以上の生産を実現した。

 政府は「みどりの食料システム戦略」で50年までにニホンウナギを含む養殖魚の100%人工種苗化を掲げる。

 ニホンウナギの仔魚飼育は、1973年に北海道大で世界初の人工ふ化に成功後、水産庁養殖研究所(現水研機構)で90年代はじめから仔魚飼育を開始。2002年にウナギの人工種苗生産に世界で初めて成功し、10年に完全養殖に成功した。ヤンマーホールディングスと共同で開発した量産化水槽と装置の国際特許を24年12月に取得。現在は民間数社に量産化水槽を導入しており、技術移転を進める。

[みなと新聞2026年5月20日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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