国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、世界の魚介類生産量(海洋哺乳類やワニ類、海藻類除く)が2034年に2億1400万トン(生体重換算ベース)まで拡大するとの予想シナリオを発表した。24年に比べて1900万トン(約10%)増となる水準。増産ペースはこれまでの10年間と比べると鈍化するものの、総生産量は今後も拡大を続けるとみる。

FAOが発刊した「世界漁業・養殖業白書(SOFIA)2026」の中で見通しを示した。成長をけん引するのは養殖生産。天然漁業も地域によってわずか~中程度の増産を見込む。さらに水揚げ前のロスや投棄の削減など利用率向上も全体の供給量を引き上げる要因となりそうだ。
養殖生産は24年比16%増の1億1900万トンを予想。地区別ではオセアニアが41%増と最大の成長率を見込む。次いでアフリカやラテンアメリカ・カリブ海地域。最大生産地は、引き続きアジアとなる見通しだ。漁業生産は管理改善や漁獲物の利用率向上などを通して3%程度増の9500万トンとなる予想。中国が最大生産国の地位を維持しそうだ。
魚粉、魚油の生産はそれぞれ13%増、9%増を見込む。漁業の緩やかな増産に加え、水産物加工残さの利用拡大を反映した。特に残さ活用の成長率が大きいとみられる。
総生産量のうち、90%に相当する1億9300万トンが食用に仕向けられる見通し。24年対比では11%増となる水準だ。地域別の供給量は欧州(2%減)を除く全ての地区で増える予想。最も高い成長率が見込めるのはアフリカ(18%増)となり、次いで北米やラテンアメリカ・カリブ海地域、オセアニアが続く。アジアの増加幅は11%増にとどまるものの、実数ベースでは引き続き最大市場。総供給量の74%を消費する計算となった。
世界人口1人当たりの供給量(消費可能量)は21・9キロと、24年の21・3キロから3%増となる見通し。地区別ではアフリカ以外の全ての地区で増加しそうだ。アフリカは地域内生産や輸入の増加によって総供給量は増える見通しだが、急激な人口増加を受けて1人当たりの供給量は4%減となる予想。特にサブサハラ(サハラ砂漠以南)の落ち込み率が高く、食料安保や栄養面での懸念が高まっている。一方、北アフリカではエジプトの養殖拡大などを受けて、の1人当たりの供給量が増加予想となっている。
[みなと新聞2026年6月26日17時50分配信]
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