みなと新聞

【みなと新聞】クニヒロがカキ陸上養殖開始 広島の塩田跡地活用、仏システム導入

2026.07.15

 【広島】クニヒロ(広島県尾道市、新谷真寿美社長)は、広島県三原市・佐木島の塩田跡地で、フランス・シーデューサー製の養殖システムを活用したカキの陸上養殖を9日から始めた。シングルシード方式による付加価値の高い殻付きカキの生産・販売を通じ、新たな地域ブランドの育成を目指す。

 敷地面積約2万3000平方メートルの塩田跡地で、かごを使った陸上養殖を行う。初回は試験的に広島県産の三倍体マガキ稚貝約3万6000個を導入し、陸上養殖環境で安定して成育するかを検証する。現在の対象はカキのみだが、将来的には複合養殖も視野に入れている。

 養殖生産には、シーデューサーとファームスズキ(同県大崎上島町、鈴木隆社長)が協力する。クニヒロは約1年前から同システムに注目し、ファームスズキとの情報交換をきっかけに導入を決めた。設備や養殖環境をスマートフォンやパソコンから管理でき、養殖かごの遠隔操作も可能。作業負担の軽減や省力化が期待される。

 養殖場は、かつて塩田、その後はクルマエビ養殖池として利用されたが、近年は遊休地となっていた。同社はこの土地を再び水産資源を生み出す場所としてよみがえらせ、品質の高いカキを安定生産して新たな地域ブランドに育てる方針。将来的には雇用創出や地域活性化につなげ、「カキの島・佐木島」として全国に誇れる島にしたいという。

 販売は当面、自社の通信販売と地元飲食店向けを想定。生産が安定し、事業が軌道に乗れば全国の飲食店への販路拡大を目指す。まずは佐木島で安定した生産体制を築き、将来的には瀬戸内地域への展開も検討する。

 同社は「海の環境が大きく変化する中、広島のカキが特産品であり続けるためには、新しいことへの挑戦が必要。次の世代につながる持続可能な養殖を目指したい」としている。

[みなと新聞2026年7月13日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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