
水産庁は25日、2027年度水産関係当初予算の概算要求案を公表した。自民党水産部会の船橋利実部会長によると、現時点で金額が固まったものが3200億円超に上る。金額が未定の事項要求は1000億円超となる見込みで、概算要求額は4200億円超となりそうだ。陸上養殖や資源評価の推進、経営基盤の強化、漁業収入安定対策事業(積立ぷらす)などで手厚い予算を求める。
これまで水産関係予算は、当初予算と補正予算で一体的に必要額を確保してきた。例えば、26年度は当初予算1876億円と25年度補正予算1398億円の計3274億円で、補正予算が約4割を占めていた。ところが、26年度補正予算については「真に緊急性の高い施策に限定し、恒常的な施策については当初予算で措置する」とされており、当初予算の比率が増すこととなる。
自民党の水産部会と水産総合調査会の合同会議で要求額を明らかにした。今回の概算要求では上限を設けず予算要求できる「強く豊かな日本」投資枠(新たな投資枠)で、同庁は陸上養殖の推進と水産業の強靱(きょうじん)化を盛り込む。
陸上養殖の推進は502億円の内数(26年度は当初予算と補正予算を合わせて計6億円の内数)とし、収益性向上のための実証の取り組みの支援や日本政策金融公庫による資本性ローンの融通に必要な出資を実施する。優良な技術の事業化に向けたスタートアップの大規模実証やフードテック企業の海外展開といった取り組みも支援し、フードテックへの官民投資を促進する。
水産業の強靱化では、協業化・法人化による経営基盤の強固な漁業経営体の創出に向け、前年度水産予算比2倍の130億円(同65億円)を計上。海洋環境の変化に対応した漁業・養殖業の推進に向けては、14%増の88億円(同77億円)を求める。スマート機器の導入などスマート水産業の推進では35%増の23億円(同17億円)、水産物サプライチェーンの強靱化は90億円、拠点漁港の整備の推進(公共)は92億円とした。
新たな投資枠以外の主な項目では資源調査・評価の推進や管理体制の構築に85%増の120億円(同65億円)、国内外における秩序ある操業機会の確保に67%増の298億円(同178億円)、捕鯨対策に前年と同額の51億円を要求する。積立ぷらすは51%増の697億円(同463億円)、水産基盤整備事業(公共)は11%減の960億円(同1077億円)、海岸堤防などの対策(公共)は915億円の内数(同762億円の内数)を求めた。
輸出力強化や魚食の拡大に向けては、7%減の1097億円(同1179億円)、にぎわい稼げる漁村の実現に向けた海業の振興には2倍の12億円(同6億円)、漁村地域の活性化に向けた浜プランの着実な推進には63%増の44億円(同27億円)を盛り込む。
その他、補助金や基金の見直しに関する概算要求への反映状況についても公表があった。浜の活力再生・成長促進交付金のうち海業推進事業を廃止し、海業振興支援事業に統合。新たに「新沿岸漁業構造転換対策施設整備事業」を創設し、協業化や法人化をはじめ漁業者の積極的な経営展開に必要な施設の整備を支援する。
[みなと新聞2026年8月25日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/
+reC. (ぷらすれっく)がよくわかる
資料を無料でお配りしています
資料ダウンロード