みなと新聞

【みなと新聞】鹿児島湾いけす制限撤廃 県が指針改正 薄飼いでへい死軽減

2026.09.10

 【鹿児島】鹿児島で近年多発する夏の高水温など環境変化に対処するため、県は4月、「県魚類養殖指導指針」を改正した。いけす数に制限があった鹿児島湾海域のいけす台数規制を撤廃した。いけすの増数、大型化などにより養殖魚を薄飼いし、放養密度を軽減。へい死や病死を軽減する方針だ。

 県魚類養殖指導指針は1978年4月に施行。今回が初の大幅改正となった。鹿児島湾海域の養殖魚上限規定を、いけす台数から養殖尾数の制限に変更。その他、基準が古くなったいけす内放養量(放養密度)の廃止なども含む。

 今回の改正により、いけす内の放養密度が軽減。近年の環境変動(夏の高水温)による養殖魚の成長不良、ストレスなどに対処しやすくなり、へい死や病死も軽減するメリットがある。

 鹿児島湾で大型の輸出向けブリを軸に生産する養殖関係者は改正について、「現場では、いけすを連結し大型化。いけすの容量を増やす方法が考えられる。特に大型のブリ養殖にはメリットが大きい」と評価。半面、「限られた湾内では、新規のいけす導入は簡単にできない。費用面に問題がある」と指摘する。

環境変化で赤潮や魚病にリスク

 同県は、ブリ類生産量が日本一。県内は鹿児島湾と八代海が主な養殖海域で、同魚養殖は県の主幹漁業となっている。

 今回改正された「鹿児島県魚類養殖指導指針」は施行以来、大きな改正がなかった。しかし近年は、環境変化により養殖業者は不安定な経営を強いられている。中でも魚病や赤潮の発生は漁場環境の悪化に起因するところが大きいといわれる。

 今回、時代に合わせた漁場管理、養殖管理となるよう改正されたことで、県内養殖ブリ養殖の生産が、より安定へ向かうことが予想される。

[みなと新聞2026年9月7日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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