
飼料メーカーのフィード・ワン(横浜市、庄司英洋社長)は無魚粉のウナギ飼料の開発に成功した。ウナギ用無魚粉飼料は「鰻 神威ZERO」の製品名で年内の販売を目指す。従来のウナギの飼料は魚粉配合率が70%超と高魚粉で60年以上形状や配合がほとんど変わらず、大手飼料メーカーや養鰻生産者からは「養鰻飼料の低魚粉、無魚粉化は不可能」とされてきた。フィード・ワンのウナギ用無魚粉飼料は従来の高魚粉飼料と比べ、販売価格を3割程度削減できる。
摂餌性と成長倍率 魚粉飼料と同等に
フィード・ワンは養鰻業者の日鰻(鹿児島県指宿市、山田賢一社長)と連携し、8月以降、40万尾規模で実証試験を行った。無魚粉飼料は、魚粉60%の飼料と同等以上の摂餌性を確保。成長倍率も魚粉60%飼料と同等のレベルまで引き上げることに成功した。日鰻は「(無魚粉飼料への)食いつき、食い込みの良さに驚いた。身質も軟らかくおいしいウナギに仕上がり、通常の魚粉飼料と比較しても遜色がない」と話す。
飼料の主原料となる魚粉は主産地ペルーでの大幅減産を背景に、日本着値が史上最高値のトン4000ドルに迫り、未曽有の高騰が続く。国内の大手飼料メーカー各社は10月から最大50%となる過去最大の値上げ幅、最高価格の値上げを実施した。飼料メーカー各社から「従来の魚粉配合率での飼料生産の継続は不可能」と悲鳴が上がり、飼料の低魚粉化が急務となっている。
フィード・ワンのウナギ無魚粉飼料は魚粉代替タンパクとして大豆タンパクやチキンミール、イカミールなどを採用した。ウナギの無魚粉飼料の最大の壁は食いつきと食い込みの低下だったが、「代替タンパクの配合バランスと有効な摂餌誘因物質の採用により大きく開発が進んだ。“食い込める無魚粉飼料”を実現した」と同社。
橋本公浩水産飼料部長は「魚粉が未曽有の高騰を続ける中、飼料メーカーの責任は、魚粉に過度に依存しない飼料の有効な選択肢を提示することにある」と話す。
安定的品質で高い練り再現
フィード・ワンは養鰻飼料の魚粉低減に向け開発を続け、2016年に初めて魚粉配合率60%の飼料「鰻丸」を発売。23年には魚粉40%の「エシカル」を発売した。今年に入り、ウナギ用無魚粉飼料の開発を進めてきた。

養鰻用飼料の魚粉は最高級の「ウナギグレード」が求められるが、魚粉全体の大幅減産に伴い相対的に品質が低下し確保が困難になっている。仮に魚粉のグレードが下がると練りの物性確保が困難となるなど、魚粉の品質のブレが粘性などの物性に直結する課題があった。
「無魚粉飼料は練った後も品質が変化しにくく、安定した物性を確保しやすい。日々の給餌作業を安定させ、生産現場の負担軽減にもつながる」とフィード・ワン。
[みなと新聞2026年10月19日17時50分配信]
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