みなと新聞

【みなと新聞】広調委にマグロ遊漁部会 水産庁「管理の高度化」強調

2024.11.21

水産庁は広域漁業調整委員会(広調委)内に遊漁団体が参加する「くろまぐろ遊漁専門部会」を設ける。18日の太平洋広調委で同委内への設置が決まった。瀬戸内海や日本海・九州西にも置く考えだ。海域単位では遊漁団体が多い部会の構成案への懸念や管理の現実性に意見はありながらも、遊漁による漁獲の管理を高度化する目的と強調して承認され、来月予定の初回会合で課題の整理を始める方向が定まった。

部会の設置はこれまでの広調委における、遊漁関係者を参考人として招致し、意見聴取する管理手法からの高度化を図るもの。

水産庁が示したイメージは、太平洋と瀬戸内海の各広調委で、それぞれの都道府県互選委員1人と4遊漁団体から4人の計5人が構成する内容。遊漁が盛んな日本海・九州西は同じ構成を取った上で、学識経験者1人を追加した計6人とする。

部会は全海域合同で開催できるものとし、時期別の採捕数量や報告内容の正確性の確保、届け出制の導入、キャッチアンドリリースの是非などを問う想定とした。

参加した委員(漁業者)からは、4人の遊漁団体に対し1人の都道府県互選委員だと遊漁団体の声が強くなるのでは、との意見が複数上がった。水産庁は合同会合の場合、学識経験者を加えて4対4になるため平等性に配慮していると説明した。

遊漁の漁獲が管理できるのかとの質問に対して同庁は、クロマグロを狙う遊漁船数の把握や船舶の届け出制などから始め、漁獲の報告義務と報告内容の検証を強める意向と回答。あくまで遊漁の管理を厳格にするための専門部会設置だと伝えた。

反対意見はありながらも12月中旬に初回会合を開き、課題の整理から管理を始める見込みとなった。この他、採捕の制限を違反した遊漁者への対応に「関係者の出頭」を追加するなど、水産庁は厳格化の方針を強調した。

当日は太平洋マグロ沿岸漁業の被承認者(漁業者)から地位を引き継ぐことが難しい者への新規の承認条件も制定した。

都道府県別の漁獲可能量の順守や同魚種を1キロ以上漁獲できるなどの条件を新規承認者に定めた他、既に承認されている者を含め「わが国全体の承認数が5000を超えないこと」とする国際社会内での日本全体のルールも規定。日本の同漁業承認数は現状で約1万7000隻だが、実際に漁獲している数は約5000隻のため、これを超えて漁獲しないよう配慮する。

この他、同漁業の承認制を適用する期間を、2025年4月1日から27年3月31日までに改めて設定した。

[みなと新聞2024年11月19日18時10分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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