今期の天然モジャコ(ブリの稚魚)採捕は、九州・四国ともにおおむね順調に進んでいる。採捕計画尾数が最も多い鹿児島県は充足率が9割を超えて終漁。2位の大分県も9割に迫っており、5月3週目には終漁する見込み。モジャコは毎年春に東シナ海から日本各地の沿岸に来遊し、養殖用の種苗として採捕・販売される。5月上旬時点の各県の採捕状況をまとめた。
〈鹿児島〉モジャコの最大産地、鹿児島県(県内外向け採捕計画741万4000尾)は4日、計画採捕量の上限近くに達し終漁した。県発表の最終採捕尾数は675万5342尾で計画に対する充足率は91%。前期より3日早く終漁した。「今期は3月18日に採捕開始。3月中は鈍かったが4月以降は好調推移した」と県担当者。今期の好漁によって4期連続で計画に沿う結果となった。
なお、前期採捕は計画745万7000尾に対して充足率が92%。2期前は795万7000尾に対し93%。3期前は782万9000尾に対し89・3%だった。一方、4期前は686万2000尾に対し45%で大幅な未達だった。
〈大分〉大分県(計画500万尾)は6日現在、採捕尾数438万6000尾、充足率88%となった。採捕は5月3週目に終漁する見込み。
今期採捕は4月から本格化した。県担当者によると「4月中旬以降は出漁および採捕が順調に行われた。採捕したモジャコは1尾5グラム以上が主体で、ちょうどよいサイズがまとまった。今期も前期同様に好漁だった」と話す。
〈宮崎〉宮崎県(計画125万尾)は6日に終漁した。最終採捕尾数は52万1000尾で充足率は42%。前期の採捕実績を3割以上も超えた。
今期の採捕について県担当者は「漁が順調に進み、需要に沿う採捕結果となった」と話す。前期の最終採捕実績は充足率28%の38万9000尾だった。
〈熊本〉熊本県(計画113万1000尾)は4月30日に終漁した。最終採捕尾数は25万2400尾で充足率は22%だった。今期の実漁期間は実質2日間で、早期に需要数量に達したとのこと。
県担当者は「今期も短期間で終漁した。例年同様、要望によって漁を再開する可能性を残しての終漁としている」と話す。前期の最終採捕実績は充足率24%の26万8000尾だった。
〈長崎〉長崎県(計画205万5000尾)は7日現在、採捕尾数64万尾、充足率31%で採捕を続けている。
採捕状況について県担当者は「前期の同期間とほぼ同じペースで尾数確保が進んでいる」と話す。前期の最終採捕実績は充足率66%の139万9000尾だった。
〈高知〉高知県(計画340万尾)は8日現在、採捕尾数192万8000尾、充足率は57%。3月31日から漁がスタートした。4月13日までの充足率が20%で、その後も安定した採捕が見られたという。
ただ、黒潮の離岸が続いているようで、流れ藻の数が少ない。小型のモジャコが多いようだが、県は「サンプル数が昨年より大幅に少ないため、傾向としては言えない」と話す。漁は5月末まで続く予定。
〈徳島〉徳島県(計画96万尾)は9日現在、採捕尾数は68万4000尾で前年の採捕実績を上回った。充足率は71%。
漁は4月1日からスタート。同月16~20日かけて流れ藻が多く見られ、まとまった採捕があったようだ。その後、流れ藻が減少。モジャコサイズは例年並みの5~6センチ。許可期間が6月30日までで、操業は現在も行われているが、半数の生産者は漁を終了したようだ。
〈愛媛〉愛媛県(計画70万1000尾)は、4月30日現在、採捕尾数20万7000尾で、充足率が30%。前年同日時点での採捕尾数は約14万尾。今期は昨年より好漁のようだ。
なお、採捕計画期間は7月31日まで。
[みなと新聞2025年5月15日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/
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