みなと新聞

【みなと新聞】海底ごみ、アマモ場に打撃 長崎大の長期実験で実証

2026.01.28

 【長崎】長崎大は、放置された海底ごみがアマモ場に深刻なダメージを与えることが、長崎県新上五島町の有川湾での長期フィールド実験で明らかになったと発表した。海底ごみがアマモ場に及ぼす影響を自然環境下で実証したのは世界で初めてとしている。

 発表によると、研究は長崎大大学院総合生産科学研究科のアリフロ・マルディニ氏と、同大海洋未来イノベーション機構の西原直希教授らの研究グループが、2021~24年の4年間にわたり実施した。海底ごみの除去効果と、放置した場合の悪影響を比較検証した。

 有川湾の2地点で行った調査では、計426キロの海底ごみを回収し、うち65%が漁網で、全体の74%がプラスチック由来だった。ごみを継続的に除去した区画では、アマモ場の面積と被度が回復し、回復の度合いが除去を途中で止めた区画を上回った。

 一方、健康なアマモ場の上に漁網を設置して放置した実験では、個体数密度が短期間で大きく低下した。252日間放置した区画では、個体数密度の減少率が対照区の約27倍に達した。漁網が葉を覆って光合成を妨げ、水流を阻害して酸欠状態を引き起こしたことが主因とみられる。

 アマモ場は水産資源の育成や炭素固定を担う重要な生態系とされる。西原教授は「海底ごみの除去は単なる美化活動ではなく、炭素固定や水産資源供給といった機能を回復させる『生態系修復戦略』だ」と話す。研究成果は1月7日付で国際学術誌「マリン・ポリューション・ブレティン」に掲載された。

[みなと新聞2026年1月23日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

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