
東北大らはこのほど、赤潮の原因プランクトンの一種「カレニア・ミキモトイ」の天敵となる寄生生物を世界で初めて発見したと発表した。単離・培養に成功し、珪藻などには寄生せず、同プランクトンに高い殺藻効果を有することを確認。今後の研究により、同生物を用いて赤潮の発生と終息の予測、防除法開発への応用が期待できるという。
カレニア・ミキモトイは日本では主に春から夏の西日本を中心に発生し、赤潮の原因になっている。同種の赤潮により、マダイ、ブリ、トラフグをはじめとする養殖魚類や、養殖二枚貝類などがへい死する場合がある。日本沿岸の過去30年間における漁業被害総額は、90億円に上ると報告されている。
同大大学院農学研究科の西谷豪准教授らの研究グループは、2020年に大阪湾で同プランクトンに高い寄生性を有するアメーボフリアの一種を発見した。その後の室内培養実験で、赤潮プランクトンに同生物を添加することで、増殖を大幅に抑えられることが判明。同生物の存在が、実際の海域で赤潮プランクトンの密度減少に大きく影響している可能性が示された。
現在、同生物の誕生時期や生息地域、量などは不明という。今後は海中の同生物の有無を調査することにより、赤潮の発生、終息時期、規模の予測につながる可能性がある。また、同生物を培養して天敵製剤として利用することで、同プランクトンによる赤潮の終息の促進も期待できる。
西谷准教授は30年ほど微生物を研究しており、「近年、赤潮の被害によって多くの漁業生産者が廃業に追いやられる事例が発生している。これまでの研究成果が、少しでも生産者の希望の光になればうれしい」と話す。今後は同製剤の実用化を目指し研究を進めていくという。
[みなと新聞2026年1月27日17時50分配信]
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