みなと新聞

【みなと新聞】兵庫県漁連、肥育したイカナゴ放流 資源回復向け 播磨灘、大阪湾に12万尾

2026.05.26

 【兵庫】イカナゴの資源量回復に向けた取り組みが兵庫県内で加速している。兵庫県漁連(田沼政男会長)は19日、播磨灘海域と大阪湾の4カ所で肥育したイカナゴ約12万尾を放流した。田沼会長は「資源量を回復させ、関西の春の風物詩であるイカナゴを以前のように手頃な価格で消費者に提供できるようにしたい」と力を込める。

 同県ではイカナゴの漁獲量が2016年まで1万~3万トンあったが、17年に約1000トンに急減して以降、低水準で推移している。今年の漁期は過去2番目に短い2日間となり、県農林水産部水産漁港課によると漁獲量は77トン(速報値)だった。同課漁業経営班の中桐栄班長は減少の原因を「瀬戸内海の貧栄養化によるイカナゴの肥満度低下」と推測。イカナゴは夏季に砂の中で眠る夏眠(かみん)を行った後、産卵するが、「栄養不足で産卵数が減少しているのでは」と説明する。

 資源回復のため、県漁連は昨年初めて肥育したイカナゴ1500尾を放流した。今年は昨年の約80倍の12万尾を、漁協の組合員らがホースや網を使って船上から放った。放流したのは、愛媛県で漁獲し兵庫県内で肥育したイカナゴ。約20日間で、池入れ時と比べ平均全長は0・5センチ伸び約9センチ、平均体重は1グラム増の3グラムに成長。体格指数(BMI)の計算式で算出する肥満度は、1・2増の4・5になった。肥育は県内の漁協やひょうご豊かな海づくり協会、神戸市立栽培漁業センターの協力の下、陸上11カ所、海上3カ所で行った。

 田沼会長は今年のイカナゴ漁を、昨年の放流の効果かは定かではないが「近年の中では量が獲れていた」と振り返る。ただ、浜値でキロ1万円超えと高値になることもあり「将来的に安く安定して提供するために、引き続き資源量回復に注力する必要がある」と説明する。

 県漁連は今後も放流を続けるとし、飼育試験の場所や協力団体の拡大も視野に入れている。また、ひょうご豊かな海づくり協会ではイカナゴの飼育試験を夏眠後まで行い、肥満度と産卵数の関係を調べている。

[みなと新聞2026年5月21日17時50分配信]
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/

モバイルサービスを漁具の一つに

+reC. (プラスレック)がよくわかる
資料を無料でお配りしています

資料ダウンロード

solution image
おすすめ記事